リアル競馬ネタ

末脚爆発で大波乱!東京大賞典を制したのは、地方馬プレティオラス!?

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「外から、外から追い込んでくるのは・・・、プレティオラス!プレティオラス!!」
2015年12月29日、東京大賞典(GⅠ)のゴール直前で、大井競馬場に集結した観客がどよめいた。
「勝てるわけがない」。
観客の多くがそう確信していたであろう地方馬のプレティオラスが、
直線でこれまでにない驚異的な末脚を披露。
先頭争いをしていた中央の有力馬3頭を大外から軽々と抜き去ってしまったのだ。


(※動画の1分57秒付近)

日本競馬の体系では、競走馬は所属によって大まかに二つに分けられる。
一つは、地方自治体が管理する地方競馬に所属している地方馬。
もう一つは、中央競馬会が管理する中央競馬に所属する中央馬だ。
昔は、様々な制約や不十分なダート路線等の理由により、
地方競馬と中央競馬の双方に優秀な馬が所属していた。
しかし、時が立つにつれて、中央競馬のダート路線も充実していき、様々な制限も徐々に緩和された。
そのため、よほどの理由がない限り、優秀な馬は賞金の高い中央競馬に所属するようになっていった。

結果として、地方交流重賞は中央馬の独壇場へと変貌。
レースで勝つのは9割方中央馬であり、多くの地方馬は馬群についていくのが精いっぱい。
競馬ファンにしても、まずは中央馬だけの馬券を買うのが一般的になっていった。

いまや、地方馬といえば、交流重賞で掲示板に載っただけでも褒められる有様である。
東京大賞典だけで見ても、ここ10年で優勝した地方馬はアジュディミツオーただ一頭のみ。
もはや、中央馬に馬場を貸しているだけと揶揄される程にまで、地方馬は落ちぶれていた。


今年で61回目の開催を向かえた東京大賞典においても、有力視されていたのは3頭の中央馬であった。
GⅠ9勝の成績を誇り、勝てば東京大賞典3連覇となるホッコータルマエ
フェブラリーSを連覇しており、GⅠ5勝の成績を誇るコパノリッキー
そして、GⅠ勝ちこそないものの、最近はGⅠで好走を続けているサウンドトゥルー
これら中央の強豪3頭の前には、よもや地方馬が勝つことはないとすら言われていた。

特にプレティオラスに至っては、出る幕がないとされた地方馬の中でも期待されていなかった。
単勝オッズは144.5倍という高さであり、人気も14頭中の9番目。
多くのファンに勝つことを期待されていないばかりか、もはや存在を認識されているかすらも怪しい程であった。

そして、そのような事前評価が示す通りに、プレティオラスは中央馬から離された位置でレースを進めた。
鞍上の本橋騎手の手によってスタートから後方に控えたプレティオラスは、
そのまま息をひそめるようなレースを展開。
向こう正面に入るころには、先頭のコパノリッキーから大きく離されてしまっていた。


しかし、そこからプレティオラスは驚異的な競馬を見せた。
やはり、大半の地方馬は、中央馬のペースについて行くことすらできない。
競馬ファンの多くがより一層確信を深める中、3コーナー手前で本橋騎手がプレティオラスに合図を出した。
すると、これまでにないほどの反応で、プレティオラスが一気に加速。
見る見るうちに先頭集団との差を詰め始めたのだ。
 
そこから、プレティオラスはさらなる加速をみせた。
多くの競馬ファンが直線で抜け出したホッコータルマエに注目を向ける中、
プレティオラスはぐんぐんと順位を上げていった。
まずは、中団から追い上げ始めたサウンドトゥルー
次の瞬間には、先頭集団にいたワンダーアキュート
さらには、途中までレースを引っ張っていたコパノリッキー
プレティオラスは数々の中央馬を抜き去り、残り200mの時点で2番手に浮上。
そのままの勢いで、先頭のホッコータルマエすらもとらえにかかったのだ。

この思わぬプレティオラスの追い込み劇に、実況も興奮を抑えられない様子であった。
「外から、外から追い込んでくるのは・・・、プレティオラスプレティオラス!!」。
信じられないような光景を確認するかのように、実況はプレティオラスの名を力強く連呼した。
 
そして、プレティオラスはついに粘るホッコータルマエを交わし去り、先頭でゴール。
あの伝説のシルキーサリヴァンのように絶望的な位置から一気に差を詰め、
地方馬として堂々と東京大賞典を制したのであった。


(動画:あの伝説のシルキーサリヴァン)
 

劇的勝利のはずが・・・


第61回東京大賞典は、プレティオラスの劇的な勝利で幕を閉じた。
勝てないと思われていた単勝オッズ144.5倍の地方馬が、
絶望的な位置から強烈な末脚を繰り出し、中央馬3強をあっさりと抜き去る。
これは、地方競馬史に残る名レースとなったのである・・・


・・・とは、残念ながらいかなかった。


確定結果を見れば分かる通り、実はレース後にもう一波乱発生したのだ。



レース後、プレティオラスの驚異的な競馬で人々が静まり返る中、一人だけ違和感を覚えていた人物がいた。
その人物というのが、森下淳平氏。
プレティオラスのことを長年管理し続けてきた調教師であった。

長年管理してきているだけあって、森下師はプレティオラスのありとあらゆることを知っていた。
細かい癖に長所や欠点、さらには現状での能力の限界にいたるまで、
プレティオラスに関して言えば、彼が知らないことはないと言い切れるほどであった。

しかし、だからこそ、森下師はレース内容に違和感を感じたのである。
いくら絶好の仕上げだからといって、プレティオラスに中央3頭をあっさり抜き去るだけの力があったのであろうか。
しかも、ホッコータルマエコパノリッキーに、前半あれだけ離されていたにもかかわらず。
長年調教をつけてきた森下師にとってさえ、
プレティオラスが東京大賞典を制するイメージがレース前には沸いてこなかった。
それだけに、調教師の勘が、何かがおかしいと彼に告げていたのである。

勝利祝い


違和感を覚えた森下師は、プレティオラスを迎えに行った厩務員に一つの指示を出した。
馬が引き上げてきたら、騎手に水をぶっかけてほしい。
森下師は勝利祝いだと偽って、馬に浴びせるための水が入ったバケツを困惑する厩務員に手渡したという。

そして、厩務員が指示通りに騎手に水を浴びせると、驚くべき事態が発生した。
プレティオラスの鞍上にいた騎手の勝負服から泥が取れて、黒色の部分が緑色に変化したのである。

この勝負服は、プレティオラスのものではない。
黄色と緑の勝負服を見るなり、森下師はすぐに確信した。
プレティオラスに騎乗している本橋騎手の勝負服は、黄色と黒色で構成されている。
しかし、引き上げてきた馬に鞍上にいる騎手が着用しているのは、
デザインこそ似ているものの、黄色と緑色で構成された勝負服である。
つまり、先頭でゴールして引き上げてきた馬は、プレティオラスではない別の馬であったのだ。

この一部始終を見ていた関係者たちは、騒然とした。
いきなり騎手に水を浴びせた行為もさることながら、泥が落ちた勝負服から思わぬ色が表れたのである。
これで落ち着いていられるほうが不思議であろう。

かくして、プレティオラスの東京大賞典制覇は幻と消えた。
後にすぐ判明したことであるが、問題となった勝負服を着用していたのは大野騎手であった。
すなわち、鋭い末脚でホッコータルマエを差し切ったのは、
プレティオラスではなく、中央馬3強の一角であるサウンドトゥルーであったのだ。

イメージ図
(※イメージ図)


その後、人々がプレティオラスのすさまじい競馬を目撃した理由も明らかとなった。
まず、理由の一つ目は、大野騎手と本橋騎手の勝負服のデザインと色が似ていたことであった。
レース中にダートが付着したことにより、大野騎手の勝負服が暗く変色。
黄色い部分以外が黒っぽくなったことで、本橋騎手の勝負服と見分けがつかなくなっていたのである。

もう一つの理由が、ゼッケンのプリントが上下逆になっていたということであった。
出走表を見れば分かると思うが、東京大賞典ではプレティオラスの馬番は2番、
サウンドトゥルーの馬番は5番であった。
2と5という二つの数字は、よくよく見ると似ているものである。
2または5のどちらかを上下逆さまにすると、遠目からは判別しにくくなるのである。
したがって、実況や観客たちは、上下逆にプリントされた5番ゼッケンを見たうえで、
2番のプレティオラスが追い込んできたと錯覚していたであった。

エラーゼッケンイメージ
(※イメージ図)

こうして、一時は大波乱かと思われた東京大賞典は、さらなる波乱の末に、順当決着に落ち着いた。
払い戻された単勝は、3番人気サウンドトゥルーの400円。
1万4450円ものプレティオラスの単勝払い戻しは、幻と消えたのであった。

ちなみに、後に調べられたところによると、本物のプレティオラスは11着で入線していたそうな。
たしかに1が付く着順で入線してはいたものの、どうやら余計な1がもう一つついていたようだ。

おまけ:青嶋坂学会がプレティオラス実況を研究対象に


2013年のダービーの実況を参考に、
東京競馬場に存在する高低差200mもの未認識坂を発見した青嶋坂学会。
この競馬実況から様々な競馬界の謎を解明してきた学会が、
今回の東京大賞典に注目を寄せているのだという。


青嶋坂学会の研究員たちによると、今回の東京大賞典では、
サウンドトゥルーがポゼッションという技を使った可能性があるという。
ポゼッションとは、自身に関係のある馬の霊体を取り込み、限界以上の力を引き出す技術である。
過去には、ルーラーシップの力を借りてオルフェーヴルを撃破したジェンティルドンナや、
母ディアデラノビアの力を借りて重賞を制したディアデラマドレなどが発見されている。

そのこともあって、青嶋坂学会は東京大賞典研究会を組織。
正月休みを返上してでも、サウンドトゥループレティオラスに関する不可思議現象を
解き明かそうという意気込みを見せている。


しかし、学会メンバーの中には、このポゼッション説に懐疑的なもの達も存在する。
この懐疑的なメンバー達が語るには、突然のプレティオラス実況はただの誤認識であり、
特に追求する必要はないのであるという。

「もうすでに、ダート付着説とゼッケンの不備説で決着が付きつつありますからね」。
青嶋坂の重要な証明の一つである「ジャスタ=ヤスダ理論」の構築に関わっていた安田氏は語る。

「今回ばかりは、青嶋坂学会が出る幕ではないでしょう」。
安田氏は、もっと別の実況分析に力を入れたうえで、学会がより研究領域を広げていくべきだと指摘した。


しかし、実況の誤認をどこまで認めるかについては、青嶋坂学会内で激しい論争がある。
具体的には、全ての実況が真実を語っているとする「実況絶対説」と、
実況にも一部の嘘が混じっているとする「反実況絶対説」との争いである。
今回の件で、もし東京大賞典のプレティオラス実況が誤認によるものだとされた場合、
「実況絶対説」論者たちの立つ瀬がなくなってしまうことになる。
それゆえ、東京大賞典の実況解釈は、青嶋坂学会にとって非常に重要な意味を持っているのである。

「いくら勝負服が似ているからとはいっても、実況が間違えることはないでしょう。
あの時あの場所で、サウンドトゥルーに憑依したプレティオラスが、
実況の目にはたしかに映っていたのです」。
実況絶対説側の代表である中野氏は、自信をもって記者に語っている。

年末のダート決戦が終わった裏で、青嶋坂学会の静かな戦いが幕を開けようとしていたのであった。


※この記事はフィクションです。
 実在の人物や団体などとは一切関係ありません。



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