リアル競馬ネタ

フォルスレース と フォルスヴィクトリー

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void race

8月25日、エプソム競馬場でひとつの珍事が発生した。
3R目に行われた1000mの totepool Supporting The Sport You Love Handicapが、
全頭完走したにもかかわらずなかったことにされてしまったのだ。

珍事は1頭の馬のスタートが原因で発生した。
よほど馬に気合が入っていたのであろうか、Kieran O'Neill騎手鞍上のTaurus Twinsが
抜群のタイミングでゲートをこじ開けて、ヘッドスタートを切ってしまったのだ。
当然見逃されるはずもなく、公正なスタートでないとして
スターターは即座にフォルススタート(カンパイ)を宣言した。

この時点なら、馬の気合がから回ったという笑い話にでもなって終わったであろう。
しかし、生憎にも当日は翌日に出走取り消しが相次ぐほど雨が激しく降っており、
馬場も視界も非常に悪い状況であった。
そんな中、馬場にいた旗手は右に数歩動いてから再スタートの合図として旗を振った。
だが、右に動いたこともあだとなり、騎手からは旗が認識できなくなってしまったのだ!

再スタートの旗に気が付かなかった騎手達は、何事もなかったかのようにレースを続行した。
こうして出走馬8頭全てが、何も意味もなくゴール板へ突き進むことになったのだ。
ゴール板はJames Doyle鞍上の人気のHumidorが先頭で通過した。
続いてCome On Daveが通過し、ヘッドスタートを切った問題の馬ことTaurus Twinsは3番手で通過した。
気合の入ったスタートを切った割にはあっさり先着を許してしまっていたようだ。

格の高くないよくあるハンデ戦の一つとはいえ、Humidorの関係者はさぞ喜んだことであろう。
はたから見れば、馬にとって待ちに待った重い馬場で2年ぶりの勝利をあげたように見えるのだ。
喜ばないほうが難しいといえるだろう。

しかし、レース後の審議で現実がつきつけられることになった。
そもそも、フォルススタートが宣言された時点で、レースは不成立になっているのである。
そのため、いくらゴール板まで全頭走ったとしてもレースは成立しないのだ。
かくして、レース不成立でHumidorの勝利は取り消され、
2年ぶりの勝利はお預けになってしまったのだ。

レース後、馬を停止させなかったことに対してのペナルティを
騎乗していた騎手に与えるかどうかが議論された。
しかし旗手の証言から、本来なら笛を吹いて音の合図を出さなければならないのに
その行為を行っていなかったことが判明したため、騎手たちにはおとがめなしの判決が下った。
Ryan Moore(ムーア)やPaul Hanagan(タグルーダの主戦)、さらにはJames Doyleは、
ここで騎乗停止を食らったらセントレジャーやアイリッシュチャンピオンSに
騎乗ができなくなっていたため、ほっとしたことであろう。

また、複数のブックメーカーはレースが不成立に終わったにもかかわらず、
はずれ馬券を全額払い戻したうえで勝ち馬券に対して配当を返還したという。
ギャンブルの胴元は常に勝つといわれているが、たまには負けることもあるみたいだ。

参考:
Racing Post "Epsom race declared void after false start"
At the Races "VOID RACE DRAMA AT EPSOM"
Racingtips.com"Sky Bet pay out on void race at Epsom on Monday"
Sporting Lifeの結果
EASYODDSの結果
など


結果
参考画像: Racing Postの結果より (一番右が該当レース)


○おまけ ~1993年のグランドナショナル~

ハンデ戦でフォルススタートといえば、40頭にもおよぶ多頭数でバリアスタートを行うグランドナショナルである。
毎年ブックメーカーによって、フォルススタートが起きるか起きないかが
賭けになるくらい名物となっているといってもいいであろう。

そんなフォルススタートの名門ことグランドナショナルでも、歴史上初めてレース不成立が発生した年がある。
それが1993年であった。



レースはこれまたグランドナショナル名物の動物愛護団体の抗議によって、
発走時間が遅れる事態になっていた。
とはいえ、恒例行事ともいえるようなものであったため、特に気にされていなかったようだ。
しかし、この動物愛護団体の抗議が、レース不成立の引き金を間接的に引くことになる。

1回目のスタートが失敗したのち、2回目のスタートがやり直された。
そして、2回目のスタートでもロープが一部の馬と騎手に絡まってしまい、再度フォルススタートが宣言された。
しかし、今度はスターターの旗がうまく開かないトラブルが発生してしまったのだ。
これにより馬場内で待機していた旗手に合図が伝わらなかったため、
馬と騎手は再スタートの合図を見ることなくレースを続行することになったのだ。

1周目の最終障害でようやく騎手たちが異変に気付き始めるが、時すでに遅しであった。
というのも一部の騎手は、馬場内でレースを止めようと動いていた人々の行動も
動物愛護団体のデモの一部だとみなしてしまったのだ。
こうして最終的には7頭の馬が再スタートに気が付かず完走。
その後審議が行われ、レースは不成立になったという。

今回と同じハンデ戦の出来事とはいえ、レースの格も認知度も売り上げも桁違いである。
きっと当時としては、相当にショッキングな出来事であったに違いないであろう。

参考:Racingtips.com "Great racing fails - False-start fiascoes!"


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